Column
ニコルさんとACORN活動のはじまり【C.W.ニコルさん追悼企画その①】
オカムラとニコルさんのお付き合いは、2009年にC.W.ニコル・アファンの森財団(以降アファンの森財団)が新しいセンターを建設し始めた頃にさかのぼります。
アファンセンターはニコルさんの旧知の友人である建築家 池田武邦先生の監修で、国産材を活用した教会のような建築物です。
ホールの椅子やテーブルは、アファンの森から出た広葉樹の木でつくられました。木製家具で有名なオークビレッジさんの手によるものです。製作された家具にはドネーションされた方々のネームプレートが付いています。
ご縁があってオカムラでセンター事務所の家具とニコルさんの書斎用デスクを、アファンの森から伐りだされたカラマツで制作させて頂きました。
当時人工林放置が問題となり間伐材の有効活用が課題となってたころで、スチール家具が主体の当社ですが、木づかい運動として石巻林業組合などの協力をいただき国産木材の家具にも着手し始めたころです。
そのころ、新たにアファンの森財団がトラストして広がったエリアの整備を進めていました。そこから整備のため伐りだされたカラマツを活用することになり、当時はニコル氏の道場1階にあったアファンの森財団の事務所で打合せをおこないました。
アファンの森から木材を搬出するときには、ニコルさんが子供を送り出すように見送っていたのが印象的でした。
アファンの森から搬出された木材は、製材~乾燥~集成材の加工を経て板材にしました。オカムラでは通常は板材となったものを調達し加工するのですが、原木から調達して板材にすることは初めての経験となりました。
完成した板材をオカムラの高畠事業所へ持ち込み製品に加工しました。
2010年9月に雨が降る中、カラマツ材で制作した製品を無事納品できました。
制作の過程を収めた映像をみながら”汗と愛情と知恵を注いだ製品はホントに素晴らしい”とニコルさんに喜んでいただけたのを嬉しく思いました。(当時の映像が見つかったら更新公開します。)
その後にはセンターのお披露目パーティーがあり、ニコルさんお手製の昆布に包まれたサーモン料理も振る舞われ大好評でした。
ご縁がありアファンの森の木で家具をつくることになり、ニコルさんのお話を聞く機会に恵まれました。
森を豊かにしていくことは人を豊かにすることにもつながり、そのためには生物の多様性が大切なこと、間伐材を扱う事だけでなく森を豊かにして多様性な生物が生きられる場所を守ることが大切なことを学びました。
そして、ニコルさんの協力のもとオカムラのACORN活動が始まりました。
文・写真/ACORN編集部