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【“木”になるニュース】球磨川荒瀬ダム、国内初のダム撤去完了! 川の再生が、森や自然の再生へと
球磨川中流域の八代市坂本町に位置していた荒瀬ダムは、1953年に着工し1955年に竣工した堤高25m・幅約211mの重力式コンクリートダム。水力発電を目的に建設された国内最古のダムで、かねてから撤去と維持の論争が展開されていた。最終的には地元漁協などを中心に撤去要望が強く唱えられ、今回の国内初となるダム撤去完了に至った。
球磨川は、熊本県南部の人吉盆地を貫流する日本三大急流(球磨川、最上川、富士川)のひとつ。本流ではカヌーやラフティングなど、パドルスポーツが盛んな名流としてもよく知られている。また、30cmを超える尺アユが生息する清流として名高い川辺川などを支流に持ち、地域の人々の憩いの場・生業の場として、地元民から愛されてきた名川である。
2018年3月27日に開催された撤去事業式典では、「国内初のダム撤去として貴重な財産であり、後世に確実に伝えていく」という蒲島郁夫熊本県知事の話もあり、ダム撤去による川再生、ひいては周囲の森・自然再生への新たな一歩が踏み出された。球磨川、そして周辺の森や山といった自然の再生・変化に、今後も注目していきたい。
上空写真ダム上流➀方向の写真(定点観測写真5点で見る渓相の変化)
上空写真ダム下流➀方向の写真(定点観測写真5点で見る渓相の変化)
なお、荒瀬ダム撤去に関する詳細は、下記HPに記載されています。
http://www.arasedamtekkyo.hinokuni-net.jp/
[文 ACORN編集部]