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ACORN社内研修@東京都檜原村

 9月22日(金)、東京都檜原村にある株式会社東京チェンソーズのフィールドで従業員15名が参加して、ACORN研修を実施しました。林業を生業としているチームとのコラボレーション研修。実り多い1日となりました。

 本研修は、木材等の自然資源を利用する企業として、製品の素材である国産材について、また、林業の現状について学び、自らが社会課題の解決に貢献するアクションを考えるヒントを見つけることを目的にしています。 

 今回の研修フィールドは、実際に稼働している人工林です。そこで、リアルな林業の現状の話や、㈱東京チェンソーズが実践している「森の価値を最大化する」ということを知り、各自の業務で実践できることを探ります。

 現地での研修を前に9月20日(水)に、事前オンライン研修を実施。基礎情報のインプットの時間をとりました。

・「ACORN活動」について、活動指針と具体的活動を紹介
・「森の現状とオカムラの国産材利活用」(㈱オカムラ カスタムデザイン部 角田):現状の課題にオカムラがどのようにかかわっていくことができるか?を解説。
・「林業の現在と東京チェンソーズの取り組み」(㈱東京チェンソーズ 吉田さん:企業理念をどのように実践しているかを解説。

 事前に知識や情報を得ることで、現地での研修がより深く感じ取ることができるようにと、オンラインで事前研修を実施しました。参加者からは、「事前研修で聞いたことを、現地でカラダで確認できたので、よかった!」との声がありました。

 9月22日は天気予報では降水確率60%。どんよりした曇り空の下、武蔵五日市駅に参加者15名が集合。バスで MOKKI NO MORIに向かいます。駅前を出て少しすると、バスは東京とは思えない山道をどんどん登っていきます。(バスの運転手さん、さすがプロ!)

青木さんの説明に真剣に聞き入る参加者

 アイスブレイクで場が和んだところで、森に入っていきます。東京チェンソーズ代表の青木さんの木への愛にあふれた説明を聞きながら、FSC認証®を取得している林業の営まれている森を観察します。

 木は50年以上かかってやっと建材や家具の材料として使えるようになる。下草刈りや、間伐など手間もかかるし、スパンの長い仕事。(0歳で植えた木が50歳まで使えないんですもんね)ですが、丸太1本が市場では驚くほどの低価格で取引されているとのこと 。事前研修で説明のあった林業の現状を 実際に森で思い起こし、適正価格で流通させることの重要性を家具メーカーとして考えるべきと実感しました。

スギは日本の固有種で、古くは日本書紀にも登場するそうです

 木の特性や歴史、林業についての話を聞いた後は、電動チェンソー、大鋸、両挽き鋸による丸太切り、エンジン式薪割り機、キンドリングクラッカーなどを使用した山での作業を体験します。
薪割り作業では、思いきり刃を入れないと斜めになってしまうので迷いを捨てて切るのがいいようです。

両挽鋸で丸太と格闘。翌日筋肉痛は必至!

 大変さを知るとともに、童心に返って汗をふきながら作業を楽しみます。切りたてのヒノキの香りは極上の香水のようなステキな香りです!

小型チェンソー。心地よい振動!? エンジン付き運搬車を初めて運転。めったにできない体験です。

 さて、お天気ですがお昼ころまではなんとかもつかな?と思っていたら、なんと青空も見えて汗ばむくらいの気候になりました。作業がひと段落したら、雨対策で張っていただいていたタープの下でお弁当タイム。

 地産地消「檜原村つくしのお弁当」。作業の後、きれいな空気の中で食べるお弁当は格別です!輪になってお弁当を食べながらも自然と話は、森の守り方とオカムラのかかわり方が話題に。お客様に提案していくべきだが、どういう方法があるだろう?木を使った提案をしてみたい!など。早速この研修の影響が 出ていたようで事務局としてはうれしい限りです。

竹の皮の包みを開けたら檜原村が飛び出してきました!おしいお弁当とおいしい空気。会話も弾みます。

 研修の後半は、東京チェンソーズが取り組んでいる「森の価値を最大化する」活動の中の「一本丸ごと素材作り」について学びました。

 木は節のない、まっすぐできれいな部分だけでつくられた製品や建材が良いとされがち。しかし、それ以外の部分、曲がったところや根っこ、節や枝の跡など表情豊かな、だけど使われてこなかった素材にも光を当てようというものです。

たくさんのユニークな素材が、どんなふうに生まれ変わるでしょう?

 山から、おもちゃ工房(東京チェンソーズ運営 )に移動し「一本、丸ごと」つかった作品を見学しました。穴の開いたテーブルや節が目玉のように見えて面白いおもちゃなどなど・・・1本の丸太を丸ごと使って付加価値のついた魅力的なものが生み出されています。工房の隣にある「檜原森のおもちゃ美術館」では、各地で作られた木の魅力にあふれるおもちゃが展示されています。ミュージアムショップでは素朴であたたかい製品についついお財布のヒモも緩み、箸置きや鍋敷き、かわいい置物など購入していました・・ね♪

おもちゃ工房で。様々な作品を説明を受けながら見学

 締めくくりは、檜原村の食材を使ったおいしいお料理を囲んで、研修の振り返りと参加者の交流会。この研修を通して、「オカムラで働く私のアクション宣言!」を全員が短冊に書いて発表。

木の良さを知り、森の健全なサイクルのためにできることをバシッと「宣言!」

 今まで木を意識してこなかった分野への木の製品や空間提案をしたい、社内で木のファンを増やしたい、この研修への参加促進など、うれしい“宣言“で溢れました。
今後、この宣言がどのように実行されるか楽しみです。

 

編集後記:事務局Yのひとこと
 木の魅力はきっと、実際に森に行って木に触れて、においをかいで、とにかく五感で感じることでわかるのかもしれません。最近は印刷技術がすごくて「えっ!これ木じゃないの!?」というものもたくさんありますね~
『ホンモノとの触れ合いの機会をもっともっと作る』ことが事務局としてのアクション宣言です。

文・写真/ACORN編集部

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