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木で“ものづくり” 板材 編【国産材活用シリーズ】

 前回は木材の乾燥についてお話しました。製材品は大きく分けると角材と板材に分けられますが、今回は板材についてお話します。

 ここでは、国産材を活用しやすく木の風合いを生かすことのできる、無垢材、矧ぎ材。集成材について取り上げます。

 まずは板材をほぼそのまま活用する無垢材です。

無垢材のカッティングボード

 これは製材した一枚の板をそのまま板材として加工し活用します。木が持つ素材の良さが全面に出る半面、木の特性がそのまま素材精度に影響します。

 また製作するモノのサイズは原木の大きさに影響されます。その為に原木選定の段階から厳選し、無垢材としての製材・乾燥工程を経る必要があります。

 

 つづいて板材を繋いで使う幅矧ぎ材についてです。

 自然の素材の良さを生かすことができるのが幅矧ぎ材です。原木から製材する際に厚みや長さの自由度は高いのですが、幅方向の寸法自由度は低いのです。

 そこで同じ木から製材した板材をつないで、必要な幅寸法を確保するのが幅矧ぎ材です。幅の取り方や、組み合わせにより特徴ある木目を出すこともできます。そのため幅矧ぎ用の板材として木取りして製材します。

幅矧ぎ材のカッティングボード

 

 つづいて間伐材や端材など細かい材からつくる集成材についてです。

 出来上がった集成材は幅矧ぎ材に似ていますが、幅矧ぎ材はそれ専用に原木から製材するのに対し、集成材は幅矧ぎ材や大きな板つくるために製材した板の余った材料や間伐材などから、使える場所を選別したものを、長手・幅方向両方でつないだものです。複数の部位をランダムに繋ぐので独特の模様が出てきます。

 端材を組み合わせてつくることができるので、自然の風合いを残しつつコストパフォーマンスも良いため、いろんなところで使われています。

集成材のカッティングボード

 

 板材はここで紹介した無垢材、幅矧ぎ材、集成材の他に、より木材の加工度を上げ工業製品化された合板、単板積層材(LVL)、配向性ストラントボード(OSB)、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)もあり建材や家具に用いられています。

 

文/ACORN編集部・きづくりラボ

【国産材活用シリーズ】

木で“ものづくり” 伐採~製材編

木で“ものづくり” 乾燥編

 

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