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宮城県東松島 復興の森 2022

 2011年3月11日に甚大な被害を出した東日本大震災からまもなく11年目になりますね。
2012年にC.W.ニコル・アファンの森財団の声がけではじまった宮城県東松島市での復興の森づくり。ACORN活動が始動してまもなくでしたが森づくりに参加しました。あれから10年を迎えて当時設置した設備が老朽化して更新する必要がでてきたようです。木材を中心につくられた設備は自然に帰る方向で老朽化が進んでいます。

 現状確認と対策のために、復興の森シンボルのツリーハウス“ツリードラゴン”前に、早稲田大学 森が学校計画産学協同研究会 古谷誠章教授を筆頭に研究会メンバーと、当初から森づくりに尽力されていたメンバーが集まりました。

復興の森のシンボル”ツリードラゴン”に当時の関係者が集合

 ツリードラゴンはこれまで何度かメンテナンスされてきましたが、老朽化が激しく改修が難しくなっているようです。すでに危険回避から2階以上へのアクセスできないようになり、最上階への階段は外されていました。通常の自治体管理物であれば撤去が原則だそうですが、“復興の森”のはじまりのシンボルである“ツリードラゴン”はカタチを変えても生き残ってもらいたいものです。
 そして2番目につくられた“うまのひづめ展望デッキ”も木材の経年劣化が進み更新が必要な状況でした。

 アファンの森財団スタッフと設計から施工までを携わった早稲田大学 古谷誠章研究室の「森が学校計画研究会」メンバーと、当時ご一緒いただいた関係者や関わられた市役所の方で、更新方法の確認をしました。
 当時関わった早稲田大学OBの江島さんはこの作業が切っ掛けで卒業後大工に弟子入りし、木工の経験と知識を積まれました。そこで今回はオンラインで現地確認に参加してもらいました。

OB江島氏はオンラインで参加

 地面に接している場所や、風通しによっては土台となる大引きの木材も修繕の必要があり、本日の調査で多角的に更新方法を検討することになりました。

木材を外してコンディションチェック中
場所によって木材が腐りはじめて取替が必要な場所もありました。

 更新作業されるまで危険なので使用しないように危険喚起の看板を設置して作業終了となりました。

 木材は自然に戻ろうという特性もありますが、こういった設備は恒常的に面倒みられる人の目が大切ということで、当時の設置に関わっった地元の方を含めて意見交換会を行いました。
 “森の学校“である宮野森小学校に隣接する場所に新たにつくられた、”いろどりの丘“の多目的ルームに場所を移して活発な意見交換を行いました。
 当時のC.W.ニコルさんの意を受け継ぐ皆さんから、今後の復興の森運営や施設メンテナンスなど前向きな意見が多数だされました。

 今回の更新はアファンの森財団から予算が捻出される予定ですが、サスティナブルに復興の森が営まれるために地元に根付いた運営母体が出来上がる事を期待しています。

いろどりの丘でミーティング

 うまひづめ展望デッキの材料を現地まで馬搬で運び込んでくれた、美馬森八丸牧場さんは岩手県から東松島に拠点を移されていて、久しぶりにお伺いしました。八丸健さんが当初の夢を少しづつカタチにされていることを見させてもらい、復興の森もSDGsの要素が沢山ある周辺環境含め、プロジェクト発足から10年経過した今年。新たな一歩が踏みだされたような気がしました。

美馬森八丸牧場にできたイベントエリア。少しづつ設備拡張しているそうです。

コロナ禍になる直前2020年1月に訪問した際のレポートはこちら。

文・写真/ACRON編集部

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